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3月, 2021の投稿を表示しています

青く丸い土俵にて On a blue round ring

 Earth アルコールに免疫のないイヌイットたちが路上に酔いつぶれる姿を 遠巻きに見ながらアンカレッジを出た。 氷点下20℃の晴天のなか半袖でにこやかに先導するヒゲモジャのツアーガイドとともに フェアバンクスから南下し荒野を目指す。 そこにはワイルドベリーとアニマル蔓延る原野があった。 食べ物の匂いのするバックパックは木の上に上げて寝なくてはいけない。 クマ回避のためだ。 2mをゆうに超えるグリズリーに遭ってはひとたまりもない。 人の家の枕はなかなか合わず寝付けず、 一晩中目の冴えた25年前の夜だった。 そんなアラスカに集った超大国2国。 自国内の格差をなくすため経済向上に突っ走ってきたアジアの大国。 怠惰なき貧困は解消しなくてはいけないのでその気概はすばらしい。 ただしそこを中心に地球はまわっているわけではないことを信じようとしない。 一方西の大国。備わったパイオニア精神で旧態依然を かき分け新世界を切り開いていく。 その手間は厭わない、手段は選ばない。理想へと突き進む。 間違いなく東西の頂点である2横綱である両国は、 青く丸い土俵の上で睨み合う。 虎視眈々と相手を倒して上に立とうと思惑を巡らせている。 さて、この千秋楽の一番には応援すべき価値はあるのか? 勝った側を称えるべき勝負なのか? 私の住所はgoogle.comである。 大方のエリアは地続きみたいなものだ。 路上のイヌイットとも、即やり取りできる。感覚的にはお隣さんだ。 二日酔いにいい薬が日本にはあるから、言ってくれれば送ってあげる。 コミュニケーションは瞬時、トランスポートはそれなり、だ。 アラスカもアフリカも距離的感覚は同じ。 ただし、そこの住民の境遇は違う。 立地や気候で収穫、能率、進化などの差が生まれるわけだが、 この青く丸い土俵はほかを蹴散らして自分がのし上がる戦いのリングではなく、 すべての住人が補い合い守り抜く神聖な場所なのだ。 なかでも力あるものたちはすべてを尽くして向き合うべきなのである。 google earthをピンチインしていくと国名国境が消えていく。 海と土地だけ。 バックには天の川銀河がうっすらと映る。 これが私達の暮らす土俵なのである。 I left Anchorage while watching the Inuit who were not immune to alco

岬の老師 Old master of the cape

 Zushi その天空の公園へはいくつかのルートがある。 湘南切っての真の高級邸宅街・披露山から、 文豪が命を絶った逗子マリーナを擁する小坪の漁村から、 また都知事を務めた別の文豪の元別荘脇から。 いずれも急傾斜のアプローチだ。 海へ突き出した岬の頂上からは、 東は逗子海岸から続く三浦半島南端まで 西は由比ヶ浜から江ノ島を経て伊豆半島まで、 公園先端の展望ベンチから見渡せる。 息を切らして達した絶景は海面の煌めきで迎えてくれる。 サーモスに入れてきた暖かいアールグレイで一息ついているところに 涼しい顔をした老人が声をかけてきた。 あまりに静かな息遣いなので近づいてきたことにも気がつかなかった。 「今日は幾分暖かくてここに来るのにちょうどいいですね」 「ええ、初めて来てみたら思いのほか人もいなくて静かですね」 どこからかと尋ねられたので鎌倉と答えると 「私はほらあの海岸のちょうど真ん中あたりから」 「まさか歩きですか?」 老人は当たり前だろという顔で頷く。 元都知事コースでここまで25分くらい、 これから小坪へ降りて戻ると1万5千歩くらいになると笑う。 さらに驚くべきは御齢87歳。 指圧を仕事としてきたとのことなのでメンテの行き届いた体に錆はない。 「貴方も無理のないように」 逆に関節痛の私の方が気遣われる形で別れた。 ベンチにもう少し居たい私は再度腰掛け 後ろ向きに老人、いや老師を見送った。 半咲の菜の花の中を分けるようにして軽快に去っていった。   There are several routes to the park in the sky.  From Shonan's true luxury mansion,  Hirouyama,  From the fishing village of Kotsubo, which has the Zushi Marina where the literary master died  Also from the side of the former villa of another literary master who served as the governor of Tokyo.  Both are steep approaches.  From the top of the cape that juts

陽春のスイッチ Sunny spring switch  

 Kamakura 大型軍用プロペラ機が飛行機雲を残さず頭上を飛んでいく。 極東の軍事拠点は春の晴天だ。 梅のあとは早生の河津桜から始まり日本は淡い色彩に包まれていくわけだが、 ウィルスの霧は一向に晴れることはなく、浮かれムードは封印された状態。 国の議会はは解く解かない、打つ打たない、開く開かないなどについて丁々発止。   さて、暖気に目覚めた裏山の虫たちはゴソゴソ地表に動き出す。 何の迷いもなく今年のルーティンの始まりだ。 ぽかぽかの日あり雨の日あり。 でもせっせと餌を探し家族へと運ぶ。 奇跡的な青い球の上の儚い旅人たち。   A large military propeller plane flies overhead without leaving contrails.  The military base in the Far East is sunny in spring.  After the plum blossoms, it starts with the early Kawazu cherry blossoms,  and Japan is wrapped in pale colors.  The virus mist never cleared up, and the mood was sealed.  The national parliament has just stopped unraveling, not  hitting ,  not opening, and so on.    By the way, the insects in the back mountains that awaken to the warmth  start to move to the surface of the earth.  It's the beginning of this year's routine without any hesitation.  There are warm days and there are rainy days.  But  they  rush to find food and carry it to  ther  family.  Transient travelers on a miracul